蜃気楼のように

ヤフブ時代の遺留品

冬彦さんより15年早く登場のマザコン・ギャング

「横浜暗黒街 マシンガンの竜」

(↑相変わらず、文字の編集が不可になってます)


東映チャンネルの無料放送時に観ました。
1976年の作品
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菅原文太はモデル出身なのでカッコいいんですが、
このスタイルが似合ってるようには思えません。
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突端からマシンガンぶっぱなしてます。(マスクかぶってる)
ヤクザから密輸麻薬を横取りして。
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怪我をした相棒を足手まといだからと射殺、
その後、もう一人の相棒の女と入浴シーン
(ある意味、この映画の一番の見どころです)
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この女、実は文太のママ
女手一つで文太を育てました。
文太、ものすごいマザコンなのです。
目の前で息子が人を殺すのを目撃しても平気な猛女
演じてるのは三益愛子
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文太に麻薬を奪われたヤクザ達は躍起になって。
真ん中は山本麟一、右は葉山良二
二人の間にいるのは中田博久
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犯人が文太だとすぐにバレて。
しかし、この二人、あっさり殺されてしまうわ。
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ヤクザにバレて身の危険を感じた文太は
自分の女の手首を切って、わざと警察に捕まって
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刑務所で知り合った田中邦衛
「トラック野郎」でも共演してます。
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刑務所に入り込んだ刺客、山本唱平 
彼も風呂場で殺されます。
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背を向けるヤクザたちのドン
右の一番奥は近藤宏
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で、ドン役のこの人
一体誰れ?
南原宏治かな?夏八木勲かな?と思ったけど、
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タイトルロールで「中野英治って誰れ?」
と思ったこの人かな、と検索してみた。
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するとまあ、戦前のとんでもない大スターでした。
ワルでお洒落で女に手が早くて、映画界に新風を吹き込んで。
戦前の石原裕次郎、みたいな。
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面会に来たママも警察に取り調べられて
あげくママは拷問に近い取り調べで死んでしまいます。

ママの死を知って泣き叫ぶ文太
このシーンだけ観てると「真昼の暗黒」を思い出します。
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ちなみに今井正監督の「真昼の暗黒」
冤罪裁判で有罪となり、
「まだ最高裁がある!」と叫ぶ主人公
以後は悪役の多い草薙幸二郎の熱演です。
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警察署の人間たち
室田日出男、右奥は河合弦司
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刑事です。コロンボです。いえ、小池朝雄です。
ママを死なせた張本人
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刑務所で出会った田中邦衛に恩義を感じ、
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二人で脱走して(警察がわざと見逃す)
でも、邦衛も警察の人間だった…
見破ったのは右のジャンプしてる男、千葉真一
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結局、文太は自分の女と逃げます。
しかし、逃亡するのになんで、こんな派手なファッション?
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こう言う風景を撮りたかったのか…
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文太が当てにしたのは昔の女、江波杏子
彼女は二人を逃がすために自ら命を絶ちます。
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でも今の女、中島ゆたか撃たれて
分かりにくいけど、頸動脈から赤い血が。
(撃たれたんじゃなくてナイフを首に
当てられてたんだけど、自分から首を動かした?)
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追うヤクザたち
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マシンガン炸裂
(私、動きのあるシーンを撮れません)
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北国の暗い空と荒れる海…
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女を抱えて歩く文太
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完です。マノン・レスコーみたい。
(1949年のフランス映画「情婦マノン」とか
東陽一監督の「マノン」とか)
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で、結論から言うと、面白いのか面白くないのか
よく分からん(もったいない)映画でした。
江波杏子中島ゆたか と言うクールビューティ二人が
主人公のために死ぬんだけど、それほどの魅力が
この主人公にあるとは思えない。ただの凶暴な殺人者で強盗よ。
しかもエエ年してママと一緒に風呂に入るような
強度のマザコンで、どこが良いの?
「がめつい奴」の、お鹿婆さんや、母物映画で涙を誘った
三益愛子も頑張ってるけど、もっと悪どくても良いのでは。
怪我をした相棒を射殺するのが、この母親の方が
凄みが増すだろうし、文太のマザコン部分にも一層拍車が
掛かると思うけど。こんな事を思う私の方が残酷かな。
出演者は他にも文太の手下の暴走族役で岩城滉一が出てるし、
けっこう豪華な俳優揃いなんだけど、
役者の使い方がもったいないなあと感じた映画でした。