蜃気楼のように

ヤフブ時代の遺留品

天国と地獄

「天国と地獄」


短大生の時、♪授業を抜け出して観た「いちご白書」いえ、
三宮の阪急文化で黒澤映画を2本観ました。
1本は「羅生門」う-ん、大きな声では言えないけれど
私の邦画ワースト1の「東京物語」と同じくらい退屈でした。
どちらも今観たら評価は変わるかも知れないけど。
もう1本の「天国と地獄」これは文句なく面白かった。
先日BSで放映していたので観てみました。
やはり面白かった。
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私の映画レビューは独特で長いですが、お付き合いを。
今回は出演者の画像中心で。
ストーリーはもう有名だから。
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助監督は森谷司郎 「赤ひげ」の助監督も。
主な監督作品は「八甲田山」「日本沈没
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三船敏郎仲代達矢三橋達也香川京子は省きました)
名立たる名優が並びます。
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製靴会社の常務、三船敏郎、その妻は香川京子
右が三船の息子の江木俊夫、左は島津雅彦
二人が衣装を交換したために、島津の方が誘拐される。
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三船の息子の江木俊夫
マグマ大使」にも出て、その後フォーリーブスに。
全く興味が無かったけど。
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会社の上役たち
昔気質の社長を射落とそうと画策して、常務の三船にも
協力を要請しているが…
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「子供を誘拐した」と言う電話が。
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このシーン。
香川京子の演技が過剰に思えて仕様がない。
どうかな…?
左の眼鏡の男は秘書の三橋達也
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間違えて誘拐されたのは三船の運転手の息子だった。
息子を案じる運転手、佐田豊
前半の主要人物の一人で、佐田豊はこの役に決まった時
身震いした、と何かで読んだことがある。
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やって来た捜査陣
指揮を執る仲代達矢、その後ろに加藤武木村功
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仲代と、ボースン(水夫長)のあだ名のある部長刑事の
石山健二郎は役得。 顔は怖いが情に厚い。
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犯人の指示で「こだま」に乗り込む三船
ここから緊迫したシーンが始まる。
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金と子供の交換受渡し
(頭の良い犯人の手段は飛ばしときます)
※この鉄橋が掛かっているのは酒匂川(さかわがわ)
静岡と神奈川に流れている川です。
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子供が無事に戻ってきたので、ここからは犯人の
割り出しと逮捕に向けて動き出す捜査陣
(ちょっとだけ写ってるのは名古屋章
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操作本部長の志村喬と課長の藤田進
この二人が出ると、もっと偉い人に見える…
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新聞記者たち
右から二人目は千秋実
その隣の眼鏡の記者は三井弘次、その隣は北村和夫
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ノンクレジットで、千秋と三井の後ろにいるのは
大滝秀治、その左隣は梅野泰靖では?
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この映画、一部パートカラーで。
このシーン、あまりにも有名
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燃やしていた男、藤原鎌足 ←釜足
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靴工場長の初代黄門様、東野英治郎
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三船は身代金を支払ったために窮地に。
債権者たち。
左から浜村純、二代目黄門様の西村晃山茶花究
いずれ劣らぬ名わき役ぞろい。
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横浜駅で聞き込む木村功
熱弁をふるう、東宝コメディリリーフの沢村いき雄
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登場しました。○○役の山崎努(隠す必要ないか)
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山崎は病院のインターン。 すでに警察はマークを始める。
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張り込む刑事たち。 土屋嘉男もいる。
(ちょいと私が写り込みました)
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横浜(伊勢佐木町界隈)を歩く山崎
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麻薬常習者の女、菅井きん
この凄み、セリフなんか無いのに忘れられない。
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花屋でカーネーションを1本買う山崎
「なにっ花屋に入った? 誰か花を買いに行け!」
「残念ながら、花を買うのが似合う奴がいません」
このやり取りは笑った。ボースンなんか(その顔じゃ
子供がひきつけを起こす)と言われてたし。
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終盤 刑務所
「犯人が、あなた(三船)と話たいと」
左、看守長の田島義文 と刑務所長の清水将男
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タイトルの「天国と地獄」の意味がここで判明する。
※真ん中にうっすらと三船の顔が写っているのは
私のミスじゃありません。実際に移ってるんですが、
何に写っているのか分かりません。アクリル板じゃないしね。
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私は犯罪映画や小説って好きではないのです。
どうあがいても(いろんな意味で)現実には勝てないのでは
と、思っているので。実際にあった事件を基に
等と言う作品は最初からシャットアウト状態で。
それは創作者とは言えないのではないかと考えています。
そして何よりも被害者やその家族の人権を、もう一度
蹂躙する行為ではないかと思うのです)
この映画、原作があるにもかかわらず、現実に
世に言う「吉展ちゃん誘拐事件」のきっかけを作った
映画としても有名になってしまって、映画が
先を行く形になった稀有な作品でもあるのです。
私、短大生でこの映画を観た時、もう興奮したのを
覚えています。「これが黒澤映画なんだ!」って。
大抵の人間は面白い映画を観れば幸せなはず。
私が初めて観た黒澤作品は「七人の侍」でした。
「七人」がその後の世界の映画の作り手たちに与えた影響を
思うと、反対に「天国と地獄」は、一人の邪悪な人間の
恐ろしい犯罪の言い訳に使われたようなもので
映画関係者にも犯人にとっても、それこそが
「天国と地獄」なんじゃないかと思ってしまったのです。
(もちろん邪悪な犯人が一番悪いですよ)