蜃気楼のように

ヤフブ時代の遺留品

南海ホークス 背番号90




あぶさん」の連載がもうすぐ終わるらしい。
正直、ホッとしている。こんな事を言うと叱られるかも知れないけれど、
あぶさん」は南海ホークスの終焉と共に終わるべき作品だった
と、個人的には思っている。
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ここから、ちょっと個人的な話に入るのだけど。30ン年前。

夫とは同じデザイン会社に勤める同僚だった。しばらくは飲み友達で。
まあよくある話(だよね)だけど、そのうち終電に間に合わなくなって…
夫の部屋に泊まって… 翌朝、ふと本棚に目をやると…
眼に着いたのが、これ↓
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もちろん「あぶさん」を私は知っていたけど、こんなに大量の単行本を並べている人を初めて見た。
「今度、ホークスの練習を見に行こう」と夫。はあ、私、タイガースなら良いんだけど。。。
泉北高速鉄道(少し前にちょっと「身売り」で話題になりました)の深井駅と中百舌鳥駅
間に地下トンネルがあって、その上に当時、なかもず球場があったらしい。

その後、色々な事がありまして、(手痛い失恋など) 結局、この人と結婚しまして
私が南海の練習をついに見に行くこと無いまま、ホークスは大阪を離れて行った。

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「快打!中百舌鳥」より


下の2枚は南海を辞めて行った選手のエピソード。
この選手、元は阪神タイガースにドラフト1位で入団し、
その後、ホークスに移籍した野上俊夫と言う人で、
タイガース時代,姉が大ファンで甲子園のそばにあった
虎風荘によく出かけていた。(当時は玄関まで入れたそうな)
漫画に描かれているように、なかなかの男前で。
初期の「あぶさん」にはホロリとさせる実在人物の話がよく載っていた。

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「あっちゃ向いてホイ」より


さて、ここからは私を号泣させた、「あぶさん」の中の最大傑作。
9年間、ひたすら、あぶさんを想い続けていた幸子に、あぶさんがプロポーズする場面。

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1枚とばしまして

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                  よかったね、よかったね、よかったね、さっちゃん。。。
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以上「赤い糸」より


                            おめでとう、さっちゃん!
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以上「寿」より


あぶさん、射手座の男だったのね。
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「孫の手」より


あぶさん」はこの後も延々と続いていったけど、おもしろかったのは、この辺まで。
掲載誌の「ビッグコミック オリジナル」も私にはだんだん鼻に着いてきて。
「しょせんはオッサンのための雑誌やん。女性が読む雑誌じゃないわ」と気がついたのだ。
浮浪雲」も「あぶさん」も、もっと早くに終わってるべきだった、と私は思う。
あぶさんが天下の吉永小百合に憧れられるような人物にまでなってしまうなんて。

ジャイアンツ一辺倒だったプロ野球漫画の流れを変えたのは、
いしいひさいち と 水島新司 だと思っている。二人は、神様のように描かれていたプロの
選手たちを人間として描いた。(良くも悪くもなんだけど)
それなのに、あぶさん一人だけが、どんどん神様のようになって行ってしまった…

私の「あぶさん」は南海ホークスの背番号90の代打専門の選手の事なのよ。。。