蜃気楼のように

ヤフブ時代の遺留品

津島佑子 「電気馬」

「電気馬」

こう言う小説は苦手だ。 読むのが、ではなく。
短編集だけど、どの作品にも共通するキーワードがあるだろ、それを
感想の中に適格に述べよ。 とか言われそうで(誰れに?)
キーワードは確かに有りそうだ。 生理とか、命とか、死とか…
「オオカミ石」 の平凡な一主婦のヒロインが、平凡な夫が有名女優と
心中したために、理不尽にスキャンダルの渦に放り込まれる姿は
作者の実父の心中事件を思わせる、とか書かなきゃアカンのだろうか、とか。

読みやすい文体でサラリと読める。
インフルエンザで仕事を休んでる間に読めたのだから。
ただ、抽象的な流れに躊躇してしまうのは、最近こう言う小説を
あまり読まなくなってしまったからだろうか。「電気馬」や「オオカミ石」は
結局何の象徴なのか、私には正直言ってよく分からない。
純文学じゃなく大衆小説分野の(女流)作家なら、もっとドロドロと
したものを書くだろう。最近はそんな本ばかり読んでるから。私は。

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バーコード(図書館の)が入っているので隠してみた。しかも体温計で。。。

追記:この本にはインフルエンザ・ウィルスは付いていませんよ。
読んだのは、もちろん治ってからなので。