沼田曜一と大友純
新東宝「地獄」より
お盆も終わり、あの世から帰って来られた方たちも
無事にあの世へ戻られた頃でしょう。
これは怪談映画の巨匠、中川信夫監督の、
「東海道四谷怪談」と並ぶ傑作「地獄」の一場面
悪しき人間が死後に行きつく
文字通り「地獄」を描いた映画です。
(その後も神代辰巳監督なども同名の映画を撮ってます)
この映画に私が子供の頃から気になっている
俳優さんが出演しているのです。
私、子供の頃から主役より脇役に興味を持つ方でして。
まず、この人。沼田曜一
「地獄」では主人公、天知茂にまとわりつく
悪魔のような男を演じていました。
私がこの俳優を初めて見たのは、12,3歳の頃で
「戦友」と言うテレビドラマでした。
「…戦友と言う名の人間群像があった」と言う
芥川隆行の名ナレーションから始まった戦争ドラマで
沼田曜一は、戦地で戦う兵隊の役でした。
正直で優しい兵隊で、負傷した彼は、追ってくる敵軍から
味方を助けるために一人残って、その場で自爆するのです。
この時の印象が強いために、私は長い間
沼田曜一がその後、悪役ばかり演じていても
「この人は本当は良い人なんよ」と勝手に決めつけて
「途中から良い人になれ」と念じ続けていました。
世に知られるようになったのは嬉しいことでした。
何かのドラマの中で子供たちに(山ん姥)の怖い話を
聞かせるシーンがあって、子役の子供たちが
本当に怖がっていたのが印象に残っているのです。
(私が写り込んでいるので私にモザイクかけました。
そのままアップしたら、最恐シーンです)
続いてこの人、大友純
ちょっと名前と顔が合わない気がしますが、
新東宝の名優です。私は小さい頃からこの人の
顔を知っていたので、子供向きのドラマにも
出てたのだと思います。(怪傑ハリマオとか?)
それから、もう一つ
私、この人が幼児番組で「お話のおじさん」のような役で
出てきて、お話をしてたのをハッキリ覚えているのです。
それが何だったのか、ずっと探していました。
そして見つけました。(50年以上前の番組です)
「おかあさんといっしょ」の中の
「こんな絵もらった」と言うコーナーだったことを。
このお顔で小さな子供たちを相手にお話ししてたんですね。
ご本人は優しい笑顔の温和な方だったそうです。
お二人とも「お話のおじさん」繋がりですね。
悪人ばかりの「地獄」の中の清純な花
三ツ矢歌子
主人公に迫って吊り橋の上から落ちてしまう女
女たちは何故か日傘を差しています。
その中で一番不気味なシーン…
一か月くらい前にCSで放映してました。
おどろおどろしい映画ですが、
「東海道四谷怪談」もそうであったように
ラストシーンは美しいです。
(敬称略)