蜃気楼のように

ヤフブ時代の遺留品

ハードボイルドな探偵には名前がない

探偵はBARにいる


CSで放映されていて、何となくタイトルに魅かれて観た映画。


このタイトルのタッチ、どこかで見た事が…
古畑か。
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タイトル通り、BARにいるから仕事の依頼は
BARに電話してくれ、と言う事。
「俺は携帯は持たない。束縛されるだけで何の役にも立たないからな」
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左が主人公の探偵。右はその助手。
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ハードボイルドに美女は不可欠。
後で書くけど、これ、本当に
ハードボイルドの本質だと思う。
この人を初めて見たのは
と言うドラマだった。
私立高校に出入りする業者の営業ウーマンで、理事長(ヒロミ)を色仕掛けで誘惑して仕事を取ろうとする
シングルマザーの役だった。


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探偵の知り合いで別の仕事の依頼人
あの「プロジェクトX」の
名ナレーションの人。
俳優としては変な役が多いみたい。
「大怪獣、東京に現る」と言う映画では女子高生を襲い、その制服を脱がせて自分で着る変態教師の役だった。





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いかにもやくざが似合う人。
でも最近は、たこさんウインナーを
美味しそうに食べる若頭の
イメージが浮かんでしまう。








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美人だけど、ハードボイルドの
似合わない人。竹下景子
3年くらい前にNHKBSで
放映してた「胡桃の部屋
と言うドラマでの怪演ぶりが
忘れられない。
夫の家出や何やかやで、おかしくなって、ご飯を口いっぱいに詰め込んだりとか…




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高島兄弟の弟
わあ、名前をハッキリ知らない。
あ、高嶋政伸か。
二世俳優には親の資質を受け継ぐ人と
何も受け継がない人がいる。
この人は前者、と言うより親以上。
松田龍平もか…)






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左、本宮泰風。右、石橋蓮司
本宮泰風って兄の原田龍二に似て
二枚目だけど、悪役が多いのは
目つきが鋭いからかな。
松本明子のご主人ね。
石橋蓮司は昔は、そりゃもう
悪役ばっかりだったのに、いつも間にか大物俳優になっていた。
私が初めて見た日活ロマンポルノ
「赫い髪の女」で、悪役でないこの人も初めて見た気がする。


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何かと探偵にモーションを送る
ウエイトレスは安藤玉恵
あまちゃん」にも出てたね。










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なんか怖い雰囲気になってしまった。
クラブで歌う歌手。
なんと、カルメン・マキ
「時には母のない子のように」で紅白にも出場した事のある人。
その時、確か裸足で歌って、話題になったような記憶がある。






探偵が差し出した名刺。
用心棒か。。。
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舞台は北海道。でっかいどー
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意外にこんなシーンも似合う大泉洋
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撃たれる石橋蓮司
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このシーンについて、最後に書きます。
(小さく載せました)
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花婿(本宮泰風)と舅(石橋蓮司)を撃つ花嫁、小雪
つまり、メイン・ストーリーは美女の復讐譚なのだ。
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さて、下から2枚目の写真ですが、撃たれて死んでいるのは阿知波悟美
ごく普通の主婦の役です。普通の主婦が殺されるのです。
この映画、実はPG-12に指定されているのです。
かなり残酷なシーンが多々あります。阿知波悟美のシーンもその一つ。
私には一番衝撃的なシーンでした。息子の育て方は間違ったかも知れないけれど、
おしゃべり好きな普通の主婦なのです。現実社会で殺人の犠牲になるのは
やくざや金持ちだけじゃなく、普通の人々も大勢いるのです。
この映画には西田敏行も出ています。冒頭、会社社長の彼が殺されます。
その妻だった小雪が殺した相手に復讐するために、探偵に探らせるのです。
西田敏行はこの映画で、何かの映画賞で助演男優賞を取ってるんですが、
私にはそれが不思議なほど、印象に残っていません。
探偵が探っていくうちに、西田敏行が素晴らしい人物だったことが
分かります。誰からも愛され尊敬され、小雪も彼を心から愛していました。
だから、殺した相手の懐に飛び込み機会を待つのです。
美女の復讐。ビジュアル的にも美しい。しかし実際には有りえない話です。
ハードボイルドの主人公は美女に現を抜かす、その反面、殺された普通の
人々に深い哀悼の意を表し、やり場のない怒りを抑えられない。
「(亭主だけでなく)何の罪もない女房まで殺された」と自暴自棄になるのです。
「俺たちは生まれる場所も身体も、脳ミソさえも選べず、この世に
生まれさせられる。そして生きる責任を負わされる。それでも面白おかしく
やれるやつは良い。それが出来ない奴はどうすりゃ良いんだ」

現実の普通の人々を愛し、有りえない世界にロマンを求める。
それがハードボイルド…