蜃気楼のように

ヤフブ時代の遺留品

「現代やくざ 血桜三兄弟」の

主役は、荒木一郎


高倉健さんの後を追うように、菅原文太さんが亡くなられた。
この方も名優であることに間違いなく、面白い作品が多かった。
その中の1本。中島貞夫監督の「現代やくざ 血桜三兄弟」
私はこの映画を三回観ている。

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以下の三回。
チケット参照。
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これは確か、1978年。10月だったか…
神戸の新開地にある「福原国際東映」のチラシ
この映画館は大森一樹監督がアマチュア時代に撮った
「暗くなるまで待てない」に登場する名画座なんですが、
私、ここで嫌な目に遭ってしまった…
(若い女性が映画館で遭遇する嫌な思いと言えば、一つしかない)
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1980年。池袋の文芸坐でのオールナイト上映
私は神戸から一人で観に来て、隣に
女性が一人なのを確かめてから座席に座ったのでした。
この女性は山梨から(おすぎとピーコのラジオ番組のプレゼントに
当たって)観に来たんだとか。この人にチョコレートを貰いました。
この上映会の主役は荒木一郎さんです。当然、来場です。
桃井かおりさんと伊佐山ひろ子さんのトークもありました。
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1981年。吹田映劇のオールナイトで
この頃、高槻や吹田でよくオールナイト上映を観た記憶が。
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さて、ここから本題
なにせ、私の書庫の「いとしのマックス」に記事を
アップしているのだから、荒木一郎さんの話ですわ。。。
鹿島茂、著「甦る 昭和脇役名画館」
(あら、斬鉄剣を振るう五ェ門が)
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その冒頭に取り上げられている荒木一郎
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写真は「現代やくざ 血桜三兄弟」
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この作品の主役は菅原文太。三兄弟とは文太、伊吹吾郎渡瀬恒彦
そして、しょぼい脇役として登場する荒木一郎(以下敬称略)
しかしこの映画を観た人は必ず思うに違いない「主役は荒木一郎?」と。
それほどに荒木一郎菅原文太を食ってしまった映画なのだ。
ここでは菅原文太は、余命いくばくもない大学出のインテリやくざで
(ご本人も実は教養のある方だったそうですが)いつものギラギラ感とは違う
静かな男で、前半あまり活躍はない。本当に劇中で「もぐら」と呼ばれる
しがないバイト青年の荒木一郎こそ、あちらこちらでキャラが目立つ。
いろんな経緯から最後は殴り込みをかける三兄弟に着いて行き、
おそらく(無事に)帰っては来ないだろう三人とは裏腹に
一人おいてけぼりを喰らって生き残ってしまう男。そしてバックに流れるのは
野坂昭如の歌う「マリリンモンロー ノーリターン」。。。 

何だ、この映画は!?

無茶苦茶おもしろいじゃないの!
私は記憶にないんだけど、他の人のブログを読むと
火炎瓶が登場するらしい。この映画には。
火炎瓶と言えば、学生運動。(つまり青春?)

荒木一郎が登場すると青春映画になってしまう
中島貞夫監督の映画…