久保惣美術館と その男
神様は私にはあの男の才能を認める能力しか与えて下さらなかった。
上の言葉は私の言葉ではありません。
映画「アマデウス」の中の登場人物の台詞です。
その意味は「神に愛された人」
まさに神に愛された(天才)男と、それを妬んだ男の愛憎劇なのです。
そして上の言葉は、(妬んだ男)サリエリの嘆きなのです。
それはさて置き、もう一か月以上前の記事になります。
入場が無料で開放されます。そこで、私たち夫婦も便乗して美術鑑賞などを。
当地の実業家、久保惣太郎と言う人が寄贈した美術品が展示されています。
新館横の通路から新館をパチリ。
写真の左側に展示室があります。
古代中国の遺跡から発掘された工芸品や
西洋印象はの画家の作品などが常設展示されています。
本館では「単彩画」の特別展がありました。(撮影禁止)
単彩、つまり一色で描かれた絵です。例えば水墨画…
興味深い絵を見ることが出来ました。
本館と茶室をつなぐ橋の上から。
向こうの橋を超えた先には河原が広がっていて
春には、羊が何頭か放し飼いにされていました。
久保家の茶室を移築したものだとか。
間には小規模な市民ホールがあります。
新館の通路の横にある池。
駐車場の前には広い空地が広がっています。
その向こうの方に見えるのは建設中の「ららぽーと」
「完成したら道路が混むなあ」と、夫。
さて、この美術館には通常はレプリカしか展示していない、至宝があるのです。
(五月の連休時に本物を見た事があります)
「枯木鳴鵙図」
(こぼくめいげきず)と読みます。鵙とは百舌鳥(もず)の事です。
国の重要文化財です。
(小さくて分かりにくいですが)頭上に百舌鳥が自分を狙っていることも気づかずに
小枝を這上る小さな虫と、襲い掛かる瞬間を待つ百舌鳥を描いた傑作です。
真におこがましい話ですが、ここでサリエリの嘆きを思い出すのです。
(ちょっと本意とハズレているのを承知ですが)
この絵の作者の名前を、日本人なら誰でも知っています。絵画に興味がなくても。
後の世に「剣聖」とまで呼ばれた男に、何故、神は絵の才能まで与えたのか。
その一点で私はこの男が羨ましいのです。
その男、宮本武蔵 が。