蜃気楼のように

ヤフブ時代の遺留品

沖縄の義賊、その名は

ウンタマギルー


この不思議なタイトルは何かと言うと、実は沖縄に伝わる伝説の、義賊の名前である。
時代を日本復帰直前の沖縄に変えているが。 主役はこの人、小林薫

サトウキビの製糖所(野外)で働く若者、ギルーが聖なる運玉森で抱いた親方の養女は
実は豚の化身だった。(ここでギブアップしないように) その事を知ったギルーは
親方に命を狙われて運玉森に逃げ込み、親交のあったギジムナー(って知ってる?)に助けられる。
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ギジムナーから手術を施されたギルーは不思議な能力を身に着け、
以後、貧しい人を助け、金持ちだけを狙った怪盗になる。
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義賊、ウンタマギルーの名前は村々に知れ渡り、人々は彼を称え、歌い踊る。
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                        「今、政治的発言をしたね」
                        「銃を持つと自然にそうなる」
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義賊、ウンタマギルーは村の芝居にもなり、彼自身が主役を演じるが
親方の投げた槍がギルーの額を貫く…
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映画はそこでは終わらない。これは彼の見た夢だったのか…
豚の化身の女を演じた青山知可子。この人、実に肉感的な身体をしていた。
こんな身体を目の前にしたら男は、ひとたまりもないわ。(下品な表現ですみません)
セリフがほとんど無いので、演技力はさほど必要でもなさそうだし、なにより
ラストの怯えた目が印象的だった。
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何故、彼女が怯えたかと言うと…(ネタバレですが)
製糖所に一人のオッサンがやってきて(誰なんだ、この人物は?新しい親方か)
沖縄が日本に返還されたことを皆に告げる。そしてその後、この女のところ
(いつも作業所の側の日蔭に座って水煙草のようなものを吸っている)に近づくと
いきなり彼女を羽交い絞めにするや、ダイナマイトで自爆してしまうのだ。
ここでエンド。。。
私はこのラストに不満がある。二人の死が何を意味するのかは、さて置き
女を滅びるものの象徴として捕えたことに。

制作 1989年。
ギルーの妹に戸川淳。過食症の母親役は「ちゅらさん」のオバアこと平良トミ。
この平良トミや親方の家の婆や(?)を演じてた女優さん。
沖縄の婆さんは本当に味のある人が多いみたい。