蜃気楼のように

ヤフブ時代の遺留品

初恋の俳優さんが亡くなった。

俳優の西沢利明さんが亡くなった。
この方をテレビで初めて見たのは、もう50年近く前だ。
「黄色い風土」と言う連続ドラマの主役だった。
松本清張原作のサスペンス・ドラマで、演劇界の錚々たる役者たちが
出演していたドラマだった。その主人公の若き新聞記者役なのだ。
ヒロインは富士真奈美さん。「カトレアの女」と言う謎の美女役だ。
(「細腕繁盛記」以前の富士真奈美さんは綺麗だった)
そう言えば主題歌は♪カトレアの花 風に散る 罪の歌 聞こえてくる~
うろ覚えだけど、そんな歌詞で沢たまきさんが歌っていた。

それまで子供心に、月光仮面やハリマオの主役を(男前の類)かなと
思っていたような気がするが、西沢利明と言う人を見て
「こんな顔の人が好きだ」とハッキリ思った。
インテリジェンス漂う細身の二枚目。これ。
言い換えれば、西沢利明さんは私の初恋の人だった。
これは日本人男性に限ったタイプで、コーカソイドの男性だと
ロバート・ボーンやトム・コートネィ等のシニカルな顔が好きなんだけど。
西沢利明さんがロバート・ボーンの声を吹き替えたドラマがある。
刑事コロンボ」シリーズの中の「歌声が消えた海」
ロバート・ボーンと言えば矢島正明さん、のイメージが強くて
最初は抵抗があったけど、次第に違和感が消えて行った。
それから35年くらい前にNHKで「お米平吉時穴道行」と言う
不思議なSFドラマがあって、西沢さんは江戸時代の戯作者、
山東京伝の役を演じていた。その頃は悪役が多かったけれど、
これは良い人の役。(江戸時代にタイムマシンを発明?)
悪役、善役 どちらを通じても必ずインテリな人物を演じていた。
西沢利明さんのご冥福を祈ります。

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