蜃気楼のように

ヤフブ時代の遺留品

「漁船の絵」(アラン・シリトー)



久し振りに本を買った。
この本を選んだ理由は簡単。
古本屋の店先に並んでいたのに、新刊のように
綺麗だったから。読まれた形跡がない。
表紙の折り目がくっきりしてるのは長い間
書棚に収まっていたからだと思う。
長距離走者の孤独」は映画で観たことがあったけれど。
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短編集なので他の作品から手を付けてみた。
「漁船の絵」
電車の中で読んでいて不覚にも…
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主人公は下町に住む郵便配達夫
6年前に男と駆け落ちした妻が、ひょっこり主人公の前に現れる。
他愛ない会話を交わした後、妻が主人公の部屋に飾っている
一枚の絵(漁船の絵)を欲しがる。別に高価な絵でもないので
渡してやるのだけど、二,三日後にその絵が
質屋の店頭に飾られているのを見て、妻の境遇を知る…

日本人でこんな雰囲気の小説を書く作家がいたような… 
浅田次郎あたりかな…

落涙必至