蜃気楼のように

ヤフブ時代の遺留品

なんで逃げたの?

ホルテンさんの はじめての冒険


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12~3年前に「ストレイト・ストーリー」と言う映画があった。
デビット・リンチ監督の(とてもこの人が撮ったとは思えないほど)素直で美しい映画だった。
そんな映画を期待した。その点はちょっと期待はずれか…
私はノルウェーと言う国をほとんど知らない。この国の人はこんなに夜遅くまで働くのかと
思ったが、どうもそんなに遅い時間ではないようだ。(白夜とか?)
ヘラジカが現れて列車を止める事があるとか、そんな事もちろん知らないし。
ストレイト・ストーリー」では平原の中の道路を、車で出勤中の女性が、飛び出してきた鹿を
はねて混乱するシーンがあった。主人公はそんな女性を静かになだめている。
ストレイト・ストーリー」の主人公は人に伝えるべき言葉を持っていた。
ホルテンはそんな言葉を持っていない。そんな能力がないようだ。
真面目に勤め上げた運転手の仕事を、定年退職の日に遅刻して、自分の乗る列車に
乗れなかったホルテン。彼は何をしたか。その場から逃げたのだ。(信じられんわ)
その後、彼のすることは、ささやかな日常からの離脱。これが彼の冒険なら
ホルテンは幼すぎる。主人公としての魅力に欠けるように私は思うのだけど。
(映画製作者たちの認識不足ではないのかな。真面目な勤労者はそれだけで
魅力的だと思うのは。私の方が年上で狡猾だから不満が残るわ)
それから、上のポスターでホルテンが抱いてる大型犬。
カンヌでパルムドールならぬパルムドッグ賞と言うのを、受けたそうなのだが、
この犬が活躍するシーンってあった? と言うか、犬が出てた事すら印象にないんだけど。
別の映画で評価されたんじゃないの?どうも腑に落ちない。

テレビで観たので、いつものように写真を撮ろうとしたけど、この映画、全体に
黒の発色が綺麗で、画面が黒く(暗く、ではない)画面に私が写り込んでしまうので
ノルウェーの美しい街や部屋のインテリアや鉄道の風景がとれなかった。
ホルテンもずっと黒の革ジャンなので撮りにくかった。


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               ラストシーンのホルテンさん。やっと革ジャン(制服)を脱いだ…


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行きつけのレストランの女主人。ホルテンさんを待っていたのね…


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タバコ屋(かな、パイプも売ってる)の女主人。
上の女性もそうだけど、二人とも人生を語るような魅力的な顔をしている。

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これ、ホルテンさんが表彰されたときの祝賀会のシーン。
みんなで「シュシュポッポ、シュシュポッポ」とやっているのです。


ちょっと辛口の批評になってしまったけど、悪い映画ではないです。。。

(また2枚の写真の位置が変になってる。何故だろ?)